姫は王となる。




「…ひどい顔」

薄暗い部屋の中で鏡を見ても、自分の顔がひどい状態だとわかる。

瞼は腫れ、顔色も悪く、髪もボサボサのまま。


夜も眠れず、目の周りにはクマもできてしまっている。


「百年の恋も冷めるっていうやつ…」



こんな顔の私を、風が見たらどう思うかー…





「なんて…」



思ってもしょうがないことを考えては、涙が出る毎日。





風は、もういない。





わかっているのに、認めたくない。








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