姫は王となる。
「花蘭様」
ソファーの後ろにいた風が、目の前に膝まついた。
「先程も言いましたが、花蘭様と共に生きる覚悟でいます。この先どんなことが起ころうとも、花蘭様のお側から離れません」
真剣な表情で、真っ直ぐと目を見て話す風。
そして…
「生涯、花蘭様のお側にいることを誓います」
優しく微笑み、風が誓った。
「…っ」
風の言葉に、涙が出そうになる。
恋人になれなくてもいい。
結婚できなくてもいい。
風が側に居てくれるだけで私は王としても、私自身としても生きていける。
共に、生きて行こう。
【完】