姫は王となる。


結婚式、楽しみにしてるわって…
プレッシャーだな…

歩きながら、さっきのお母様の言葉を思い出す。


お母様っていっても、私を育ててくれたのは後ろに付いて歩いている老婆。
小さい頃から王族での行事以外で、お母様と接するのは今みたいに、城の中ですれ違った時だけ。


父様なんて、もっと接する機会がない。
兄様は後を継ぐから、ずっと父様に付いて回ってるけど。



女で生まれた私は、兄様がいる限りは王位を継ぐことはない。



まぁ、継ぐつもりもないけど。



私は風がいれば、王族なんかどうでもいい。


風と一緒に生きていければ、私は幸せ。



きっと、風も同じ気持ちでいてくれているー…






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