姫は王となる。
風と出会って、もう15年。
王族を護衛する今のトップが、風のお父様。
私は王族を抜けるけど、風はお父様の後を継ぐ。
数年後には、風が護衛隊のトップになる。
護衛隊は王族を守るだけではなく、時には敵と闘い命を落とす場合もある。
だから、護衛隊のトップを継ぐのは少し心配…
「かっ…花蘭様!!大変でございます!!」
「!」
目的の部屋に着き、部屋に入ろうとした時だった。
警備兵の一人が、慌てた様子で目の前までやってきた。
「これ!!花蘭様に対して失礼であろう!!頭を下げなさい!!」
後ろにいる老婆が、警備兵に向かって一喝する。
「も…申し訳ございません」
警備兵は慌てて、膝まつき頭を下げた。
「…どうした?」
いつもと違う様子に、目を見開き警備兵を見た。