姫は王となる。


「王命を破り、その王命を覆そうとしていることを言っていることは、大変失礼なことだと重々承知しております。しかし私はまたきっと、王命を破ってしまいます」


苦笑いをしながら風はそう言い、立ち上がった。




「貴方様を守るためならこの命、何度でも捧げます」


ドクン。

真剣な表情で、真っ直ぐと心を射ぬくような目で言った風の言葉に、心臓がドキドキと鳴り始める。


「…っ」


風を失いたくないから、遠ざけた。
護衛の任務を解くと、王命を告げた。



それなのに風は、何度でも命を捧げると言う。





その言葉を聞いて、私はー…







「…王命を言い渡す」




側にいてくれると言った風の言葉が、すごく嬉しいと思ってしまった。















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