姫は王となる。





「暗殺未遂の一件、ご無事で何よりでした。しかし私が止めたのも聞かずに、勝手に城の外に出たことは大変遺憾に思っております。もう二度と、そういうことをしないでください」


老婆は膝まついていて目線が下のはずなのに、目力が強く感じる。


「…はい」


チクチクと、老婆の言葉が心に刺さる。


「風を護衛長として王命を下した判断は、今の状況の中で正しい判断だったと思います。国土大臣の一件もありますし、当分の間はどの大臣の意見も疑ってかかった方が賢明かと思います」



「あぁ、そうする」


今まで言いたかったことを我慢していたかのように、老婆のチクリと心に刺さる話は止まらない。


「後、先日の王様のお気遣い…大変有り難いとは思いましたが…」


¨私みたいな王に仕えるのは、大変であろう?嫌なら、いつでも辞めていい¨


老婆が言いたいのはきっと、このことだろう。


でもあの発言は、私のただの八つ当たりでー…



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