姫は王となる。
「しっかりしなさい!花蘭!!」
ビク!!
初めて聞いたお母様の大きな声に、身体がビクっと跳ねた。
「私は人質として、今から北国に行きます。だから、あなたがこの国を守るのです。花蘭」
「!」
私が…
国を守る?
そんなー…
「…私には…でき…」
ない。
「"できない"なんて、言わないで。あなたは、王族に生まれたのよ。王様と王子が亡くなった以上、あなたが王位を継ぐのよ」
ドクン。
…そんなー…
私は王族を抜けて、これからは風と一緒にー…
ドクン!!
…その風も、もしかしたら…