姫は王となる。
今日の会議に大臣たちが全員出席したのは、風が裏で動いてくれたからだろう。
"…これじゃあ、どっちが王様かわからないじゃないか"
退室時に、一人の大臣が発した言葉。
きっと今日の会議で、皆が思ったことだろう。
風は護衛長として完璧だった。
それなのに、私はー…
「…いや」
悪い方向に考えてしまいそうになる思考を振り払うように、首を横に振った。
明日、現地に行き状況を見てから考えよう。
私が今、やらなければいけないことをー…