姫は王となる。






「っ…」


風…


風…



風!!!



「王妃様!!花蘭様!!」

ビク!!


バタバタと数人の警備兵が走って来る。


「北国の使者が、城の門の前まで来ています!王様と王子様の遺体と引き替えに、王妃様を差し出せと…」


数人の警備兵たちは、目の前に膝まつきそう言った。


「…」


遺体と引き替えにって…



今起こっている状況に、頭がついていかない。



北国はどうして、そんなことをー…
今日の外交だって、この東国との外交を深めるために父様と兄様が行ったはずなのにー…



「…わかりました。すぐ行くと伝えなさい」

「はっ」


お母様がそう言うと、警備兵たちは立ち上がり、また走って行ってしまった。



「…落ち込んでる暇はないわよ、花蘭。王様がいなくなった今、隙を見せればすぐにこの国は、他の国の支配下になってしまうわ」


真剣な目をしたお母様と、目が合った。





「…守るのです、この国を。あなたが、次の王になるのです」




私が…





王になるー














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