姫は王となる。
「風様」
ビク。
さっき、村の奥へと消えて行った副長が戻ってきた。
3人の女の子を連れてー…
「その者たちは?」
風が一歩前に出て、警戒する。
「生き残った3人です」
副長はそう答えると、女の子3人を前に出した。
見た目から、まだ3人とも幼い。
7歳~15歳ぐらいだろう。
洋服はすすだらけで、中には怪我を負っている子もいる。
「あちらに居られるのは、王様だ。膝まつきなさい」
副長が女の子たちに、膝まつくように命じた。
しかし、女の子たちは言うことをきかずに立ったまま。
「お前たちっ」
「待て」
副長が、女の子たちを叱る前に止めた。
「風、どきなさい」
目の前に立つ、風の背中に向かって言った。
「しかし、王様…」
「大丈夫だ。少し話がしたい」
どこうとしない風を避け、女の子たちに近付く。