愛を知らない君へ

女1「と、とにかく!
これ以上胡蝶の皆様に近づかないでよね」

それだけ言うと女達は笑いながら校舎に戻って行った

なんか、すごくイライラする

自分から胡蝶に近づく勇気もないくせに

口だけは達者で

少しでも気に入らない奴がいたら排除しようとする

なんて愚かなんだろう

でも私も彼女達と同じなんだ

やり方は違えど、私も彼女達も自分の居場所を守ろうとしている

そんな自分に嫌気がさす

いっその事何もかもを放り出して逃げてしまいたい

なんて、私が言えるはずないのだけれど

「ハァ」


なんだか今日は疲れたな


いつもと違う事が起きたからかな



でもなんだか体も重たい気がする


ちょっとだけ休んでいこうかな


そう思った私はお昼寝にはちょうどいい木の影を見つけて少し休んでいくことにした。




この時の私は忘れていた。


屋上で私を待ってくれている人達がいることを

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