愛を知らない君へ
~湊音side~

昼病みに来るはずの蘭は昼休みが始まって5分経っても10分経っても一向にやってこない。

みんなで迎えに行こうと教室にいっても蘭の姿は見当たらなかった。

くそ。あいつどこに行ったんだ。

奏が近くにいたやつに聞いたら3人組の女に連れていかれたとかいうし。

体育館裏に行ったというから来てみれば、女たちと言い合っている蘭を見つけた。

しばらくして蘭だけになった所で声をかけようと1歩踏み出せば、どこからか声が聞こえてきて、

「はぁ」

体育館裏で見つけた蘭は、何もかもを諦めたような顔で木の影に座り静かに地面を見つめていた。

またあの顔だ。

あいつには笑っていて欲しい。会ってすぐの奴にこんな事思うなんて俺はおかしくなったのか。

それでも、あいつをあんな顔をさせた奴が許せなくて

湊「優、廉、夏、あいつら」

それだけ言うと優と廉は「分かった」と言ってさっきの女を追いかけていった。

夏は「なんで俺が」なんて言いながらも追いかけていった。

夏は女嫌いだからな。それでも動いてくれるんだ。
あいつも蘭の事少しは認めてきたんだろうな。

後はあの3人がなんとかしてくれる。

今は蘭を連れていかないとな
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