お日様のとなり
「イチ、この子は?」
「スカウトしてきました。今日から写真部の一員です」
「ってことはもう入部届を?」
「それはこれから」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい!」
全く話が見えないんですけど。
私が2人の会話に割って入ると、部長と呼ばれるその人は大きな溜め息を吐いて、未だに私の腕を掴んだまま離さない男の子の顔を見つめた。
「その様子を見ると、また無理やり引っ張ってきたんだろ……」
「出たねぇ、イッチーの悪いクセ。猪突猛進!」
2人はやれやれといった様子で椅子に座り直す。
なんだろう、この残念な空気は。
イチと呼ばれるこの男の子は2人の雰囲気に首を傾げている。
強引なように見えて、意外と天然なんだろうか。