お日様のとなり
相変わらず口の悪い幼馴染の背中を仕方なく追いかける。
一歩足を踏み出したその時だった。
遠くからこちらに向かってくる足音が聞こえて、だんだん大きくなったかと思えば、それは私の真後ろで止まった。
まさかと思った。
「みあ!」
声を聞いた時は、息が止まりそうになった。
跳ね上がりそうになった肩を必死で堪えて、なんでもないフリをして振り返る。
会いたくはなかった。
会わないようにしていたのに、神様は意地悪だ。
……ああ、そうだった。
私の運はあの時に、イチくんが私を花火大会に誘ってくれた時に、全部使い果たしたんだっけ。
切羽詰まったように眉を寄せながら、イチくんが私に詰め寄る。
「みあの様子がおかしかったから、心配してたんだ。一緒に帰ろ」
「あ……えっと……」
言葉に詰まっていると、後ろから腕を掴まれてぐいっと引かれた。
とん、と背中がぶつかったのは大蔵身体で。
見上げると、大蔵はイチくんを目付きの悪い顔をして睨んでいた。
「お前、こいつの何なの?」