お日様のとなり
学校の近くになってくると、後ろから走ってきたらしい苑実が背中に抱き着いてきた。
「みあ!久しぶり!」
「そ、苑実……おはよう」
「おはよ!って大蔵……?!一緒に来るとか珍しいね。中学校以来じゃない?」
隣にいた大蔵に気付いて、飛び上がる勢いで驚きながら声を出す苑実。
「……先行く」
至極迷惑そうな顔をして苑実を一瞥すると、大蔵は先に学校に向かって歩いて行く。
「なにあれ、感じ悪くない?!」
大蔵の背中に密かにブーイングを送る苑実。
聞こえてしまったようで大蔵が振り返ると、苑実は「やばっ」と私の背中に身を隠した。
でも大蔵はそのことに対して何も言わなくて。
私の顔をじっと見つめると。
「昼、そっちの教室行くから」
それだけ告げて、行ってしまった。
お昼、何があるんだろう。
私と苑実は顔を合わせてお互いに首を傾げた。