お日様のとなり
「え、入部希望?!」
イチくんに続いて部室に入ると、部長さんたちが声を揃えて驚いた。
「本当?本当に入部してくれるの?」
そうやって私に詰め寄ってくるのは、お昼に私を”無表情姫”と呼んでいた女子部員の人。
その言葉にこくりと頷くと、次の瞬間「ありがとう!」と抱き着かれてしまった。
途中入部だし、こんなにも歓迎されるとは思っていなかったから、嬉しい。
部長さんも少し離れたところから優しく微笑んでくれていた。
「えっと、じゃあまず名前教えてくれるかな?俺は3年で部長の森園匠」
「あたしは副部長の小稲真央!3年だけど気を遣わないで、真央でいいよ。女の子の部員なんて久しぶりだから嬉しい!」
順番に自己紹介をしてもらった。
森園先輩に真央先輩。
部活動にでも入らないと上級生の先輩たちと知り合いになる機会なんてなかったから、なんだかくすぐったい。
上手く先輩と呼べるだろうか。
「ほら、イチもちゃんと自己紹介して」
森園部長が部室の奥に顔を向ける。
そこではイチくんが白くて柔らかそうな布を手にカメラの手入れをしていて、森園部長の声が耳に届いていない様子。
森園部長が溜め息を零した。