お日様のとなり
「私もたぶん、大蔵のことが好き……なんだと思います」
「ふんふん、それはどういう好き?」
「どういう……?」
好きに種類があるのだろうか。
頭を捻る。
そんな私に、真央先輩はポツリ呟いた。
「あたしは匠が好きだよ」
あ、これ今初めて言ったから内緒ね。
へへっと恥ずかしそうに笑った真央先輩は、抱きしめたくなるくらいに可愛らしかった。
いつもケンカばかりの2人だけれど、時々真央先輩のことを見て優しく笑う森園先輩のことを思い出すと、とてもお似合いだと思った。
真央先輩が森園先輩を……。
そっか、そうなんだ。
私は大蔵のことを考えて、こんな風に笑えるのだろうか。
私は……。
「かっきー、今誰のこと思い浮かべてる?」
「え?」
それはどういう意味だろう。
「かっきーね、今すっごい可愛い顔してたよ」
「そんなわけないじゃないですか」
「いーや、してたね。ね、もっかいして!撮るから。カメラ構えるから」
「む、無理ですよ」
「ええー、ケチー」
そんなやり取りをしているうちに、昼休みは終わって。
学年の違う真央先輩とは階段の所で分かれてきたけれど。
私が写真部に戻って来るかどうかは、最後まで聞かれなかった。