お日様のとなり
結局、ゲームの結果はイチくんが入ったチームの圧勝。
イチくんを誘ったサッカー部の人は悔しそうにしていたけれど、すぐに笑顔で笑い合っていた。
スポーツに打ち込む人の姿も素敵だったけど、この瞬間も比べ物にならないくらい眩しくて、思わずカメラを構えた。
その時、レンズ越しにイチくんと目が合った気がして、下を向いた。
するとイチくんは私の隣に倒れ込むようにお尻を付いて、
「あー疲れた!」
と叫んだ。
「あの、お疲れ様でした」
「どうだった?」
どうだった?というのは、サッカーのことを聞いているんだろうか。
「ボールを蹴っているイチくんは、すごくかっこ良かったです……」
素直な感想を述べると、イチくんは一瞬驚いた顔をして眉根を寄せた。
それからすぐ顔を逸らされてしまった。
感想が気に入らなかったのかな。
イチくんを見下ろしながら首を傾げていると、不機嫌そうな声が聞こえてきた。
「違う。カメラのこと。いいの撮れたか聞いてんの」
「それは、もう……!」
なんといったって被写体が良いのだから。
私はデジカメの電源を入れて、イチくんに見えるように隣にしゃがみ込んだ。