お日様のとなり
場所を変えて、私とイチくんは空き教室に入った。
周りの人からは一体何が起こったのか分からなくて、変に注目を浴びてしまっていたからだ。
イチくんは窓際の机にひょいっと座る。
私は近くの壁に適当にもたれて立った。
「それにしてもビックリした。俺また、何かやらかしたのかと思った」
それって、イチくん前にも女の子に突然怒鳴られたことがあるって捉えていいのだろうか……。
女の子にずいぶんモテるみたいだし、その可能性はある。
「……何、その軽蔑した目は」
「え、私そんな風に見てた?」
「ははっ、冗談だよ!」
「なんだ、そっか」
心の中を見られた気がして、少し動揺する。
「そういえば、私に用事って……?」
話題を変えようと、私はイチくんがクラスを訪ねてきたわけを聞いてみた。
「あー、別に用事ってほどでもないんだけど。さっき部室に寄ったら部長がデータの確認しててさ。みあのこと褒めてたよ」
「本当……?」
「うん。特にサッカー部の写真。初めてにしてはよく撮れてるって」
「そうなんだ……」
初めて撮った写真をそんな風に褒めてもられるなんて、嬉しい。
いつもは放課後まで学校にいることって少ないから、色々あって疲れたけど。
気付けばカメラのことばから考えてしまっていた。