お日様のとなり

「これ、何だか知ってる?」

「……カメラ?でもお家にあるやつとは違う。おっきいんだねー!それになんかすごくかっこいい」

良かった!
興味を持ってくれてるみたい。

「これね、写真を撮れるだけじゃなくて、とっても遠くまで見ることが出来るんだよ。だから、お姉ちゃんがこれで君のパパとママを探してあげる」

「ほんと?!」

「うん。じゃあまずは、お名前教えてくれる?」

「僕、ふうとだよ!」

「ふうちゃんね。私はみあって言うの。よろしくね」

「み、みゃー?」

どうやら、小さな男の子の言葉では私の名前を言うのが難しいみたいだ。

ふうちゃんは私のことをみゃーちゃんと呼んだ。

「ねぇ、ふうちゃんのパパとママってどんな人?」

「パパは大きいよ。ママはねぇ、すっごく優しいの!あ、でもみゃーちゃんも優しいね。みゃーちゃんママみたい!」

うーん……、聞き方を間違えたのかな。
それじゃあどの人がパパとママなのか分からないや。

その後も、服の色や髪の毛の長さを聞いてみたけれど、ふうちゃんは首を傾げるばかりだった。

仕方なく手を繋いで、近くを歩いてみることにする。

けれど、どれだけ歩いてもなかなかふうちゃんのパパとママは見つからない。

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