お日様のとなり
それは、慣れてるはずだ。
イチくんが公園で子どもと遊んでいるところ、少し見てみたい気がする。
何してるんだろう。
砂場でお山作ったりとか?
滑り台滑ったりとか?
はたまた鬼ごっことか、そんなところだろうか。
「みあ、なんか変なこと考えてない?」
「変なことって?」
「俺が公園で子どもの相手してるとこ想像してるだろ」
「え、なんでわかったの?」
どうしてイチくんは、私が考えていることがわかるんだろう。
でも、公園でそうやって子どもが寄って来るのって、きっとイチくんが優しいのが子どもにも分かるからだよね。
たぶん、カメラを持って色々な部活を回っている時も。
みんなイチくんのことが好きだから声をかけるんだ。
「おい、何撮ってんだよ」
「あ、いや、つい」
「はあ。俺が子ども肩に乗せてる写真なんか撮ってどーすんの」
イチくんは呆れていたけれど、私にはとても素敵な姿だと思ったから。
イチくんの優しい一面を、写真に残したいなって思ったから。
砂浜に繋がる階段を下りていると、海の家の角から女の人が出て来て、こちらに顔を向けると「ふうと!」と声を出して駆け上がってきた。
その瞬間、イチくんの肩の上でばたばたと暴れ出すふうちゃん。
落とさないようにイチくんがふうちゃんの身体を支えてそっと下ろした。