お日様のとなり

そんな私の姿に、お腹を抱えて楽しそうに笑っているイチくん。

そんな、酷い……!

私は両手で水をすくって、イチくんに思いっきり巻いた。

ダイレクトに命中し、イチくんは顔がびしょ濡れになって固まった。

あ、ヤバい。
これはやりすぎ……?

後悔したのも束の間、ザザッと大きな波の音がしたと思えば。

「ひゃ……っ?!」

今までよりも大きな波がきて、あっという間に腰までびしょ濡れになってしまった。

あぁ、もう。
これは、下着まで完全にアウトなやつだ。

イチくんと同じように固まってしまった私。

沈黙を破ったのはその周りにいた子どもたち。

「ねーちゃん、やべー!!」

「びっしょびしょじゃん!」

私を見て楽しそうに笑う子どもの顔を見ていると、何もかもがどうでも良くなってきた。

もういいや。服が濡れたくらい、どうにかなる。

後のことの心配より、今、目の前にあることに夢中になりたい。

「やったなー!」

私の猛反撃、覚悟しなさい子どもたち。

「わー!ねーちゃんが怒った」

「ぎゃははは!つーか俺らなんもやってねーし」

「知-るーかー!」

必死で追いかけていると、あっという間に時間は過ぎていった。




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