Christmas Eve の 奇跡
私と彼は札幌で出会った。
何かと仕事で忙しい彼は、
すぐ会いたいとすねる私に、
いつも優しい笑顔で微笑んでくれた。
その笑顔は、
どんなプレゼントにも変えられない笑顔だ。
ゆっくりと時間をとって、
デートをする事も少なかったけれど、
心通う愛はどんな物にも負けはしない。
そう2人思っていた。
「遠距離?」
始めは、その言葉を意味する事を素直に
受け止められなかった。
信じられなかった。
いや信じたくなかった。
彼は会社でこの札幌から横浜へと
転勤を命じられたのだ。
もうすぐ冬、
私には辛い宣告だった。
いつしか、そんな彼に
「なぜ?」
駆け寄る私自身……
「遠距離」
と、いう言葉に戸惑いばかりが巡っていた。
「しょうがないだろ!」
知らず識らず、私達の仲に溝が出来たような気がした。
あんなに好きな彼なのに、
こんなに好きな彼なのに、
クリスマスは一緒にすごすって、
お互い決めていたのに……
そんな中、彼は横浜へ。