先生が私に恋をした~2~
「奏さん、ありがとー」

嬉しそうにから揚げを持ってソファに座り、ひとつ
口にいれた

「おいしー、食べる?」
「うん」

かっしーから、初あ~んをしてもらい私もから揚げを食べる
おなか空いてるからおいしい

私は薄手のコートを脱ぐとソファの背もたれにパサッと
かけた
とりあえず、コーヒーでもいれよっか
キッチンの前に立ってドリップコーヒーをいれる
コポコポとお湯が浸透していくと、コーヒーのいい香りが
部屋中に広がる

「はい、どうぞ」
「ありがと」

かっしーの前にコーヒーを置いて、私もソファに座った
妙な沈黙が流れる
なんか、しゃべらないと、、、この空気は重たい

「かっしー、桜、きれいだったよねー」
「んー、だねー。また行きたいね」
「うん。そうだね」

から揚げを食べ終わったかっしーは、コーヒーをひと口
飲んだ
コーヒーの香りと時計のチッチッと針の音が静かな部屋を
いっぱいにした

なんでか、いつもはペラペラと話すのに、今はずっと
だんまりのままのかっしー
仕事で何かあったのかなー
それで、落ち込んでから揚げ口実に私を呼び出したのか
色々と頭を巡ったけど、その原因は全然違うものだった


「奏さん」

静かだった部屋にかっしーの声が響く


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