先生が私に恋をした~2~
かっしーはコーヒーカップをテーブルに置くと
私の隣に移動して、右手からカップを奪い取った
な、、に、、?

私の左頬にかっしーが触れる
捕らえられた目は瞬きすら忘れて微動だに出来ない私

かっしーは右手をスルスルと、滑らせると私の首に
手を回した
そして、次の瞬間私をグイッと引き寄せるとキスをした

ど、して?
好きな人が出来たと言ってから、日野先生が好きな相手
だと知ってから、初めてされたキス
私は頭のなかが真っ白になった

やだよ、そんなの、、、
先生のキスの感触を消さないで、、、
やめて、もう、お願い

気が付くと涙で視界が歪んでいた
無反応な私にかっしーが薄目を開けた


「奏、、、さん?」

唇が離れてかっしーは私を見て驚いていた

「かっしー、ひどいよ」
「ごめん、奏さん。でも、俺、、、」
「何もしないって言ったはずだよ。私の好きな人は
日野先生だから!」

私はかっしーの言葉を遮るように冷たく言い放った
かっしーはそれをただ悲しそうに
傷付いた子犬のように私を見ていた、、、

「帰る」

それたけ言うと、私は振り向くこともせず逃げるように
車に乗り込むと、私の涙はとめどなく溢れた
ハンドルにしがみついて声を出して泣いた
真っ暗な誰もいないその場で
いつまでも私は一人泣いていた


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