先生が私に恋をした~2~
それは衝撃発言から一週間ほどたった頃、、、

お盆前ということもあり、病院は診察や検査の患者さん
で溢れかえっていた
そして、激混みだったため、フリーだった彩さんが
助っ人に入ってくれた


「今日ヤバいねー」
「ですね。すみません、手伝ってもらっちゃって」
「いーの、いーの、お互い様だし」

彩さんはものすごいスピードで次々とカルテをさばいていく
先生の診察のデスクには顔が見えなくなる程に
積み重なっている
近藤先生はカルテがボンボンと音をたてて置かれる度に
ドン引きの表情をみせていた

そりゃ、引くよ
私だってこんな数、気が遠くなるもん
午前中で終わるのか、そんな不安が頭をよぎる

「受付終了早めるらしいよ」
「そうなんですか?」
「この混み具合じゃ、、、ね?」
「それもそうですね」

あまりの混み用にいつもよりも30分終了時間を早めた
でも、まだまだ時間がある
どれだけ来るのか、、、

私と彩さんはそれから黙々と作業を進め、近藤先生も
普段の5倍はあるんじゃないかと思う位に巻いていた

診察が終わるごとに今度は終了ボックスが山のように
重なってくる
それを私と彩さんは最新の機械のようにハイペースで
片していく

最後のカルテが終了ボックスに入ったのは
12時半を過ぎていた

「よし、おわりー!」

彩さんの声に私と先生は拍手した

「お疲れさん。」
「先生もお疲れ様です」

近藤先生は軽くストレッチしながら欠伸をした





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