先生が私に恋をした~2~
ゴクリと生唾を飲む音が自分の中にこだまする
どうしよう、、、

“好き”が存在しない相手と関係を持つのは無論初めてで
しかも、その理由が早い話が同情に似たものだ

近藤先生の顔が近づいてきて、私はギュッと目を閉じて
覚悟を決めた
もう、後戻りは出来ないのだ


近藤先生の唇が重なり、そのキスは数を追う毎に
激しさを増していって、私の身体は力を失いズルズルと
ソファに沈んでいく

唇が解放されると、私はそのまま先生に抱きかかえられ
視線の先には、大きく開け放たれた寝室のドアがある
一歩一歩と先生は中へ足を踏み入れた

私をそっとベッドに横たわらせると、先生はドアを閉めた

サイドテーブルの小さな灯りが真っ暗な寝室を
少しだけ照らしている

ハッキリと顔が見えないのは、むしろ好都合だと思った
自分がどんな顔をしてるかなんて見られたくはない


近藤先生は私の上に跨がり、左手で眼鏡を外すと
それをサイドテーブルへ置いた
眼鏡なしで見えるのかな?

先生は私の顔を挟むようにして両肘をついた

その手が私の前髪をかきあげ、フッと笑うと
またキスをした




そして私は近藤先生に抱かれた

丁寧に、優しく、まるで宝物を扱うように、、、




こうして私は重く深い罪を背負った





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