先生が私に恋をした~2~
「どうぞ」
「うん」

私の狭い軽自動車に近藤先生を乗せてエンジンのスタート
ボタンを押す

「すみません、狭くて」
「別に気にしない」
「そうですか」

私は静かに車を走らせた

「場所言ってくださいね?」
「うん」

先生は酔ってるのか、眠いのか、シートを倒すと
目を閉じた


いや、いや、ちょっと寝られたら困るんですけどー
私、家知らないし。
どーするのよー。
一人テンパる私をよそに近藤先生は無反応で

私は仕方なく、適当なコンビニの駐車場に停めて
藤村さんに電話をかけた

「もしもし、奏ちゃん?どうしたの?」
「あ、藤村さん、、、せん」

むくりと起き上がった先生は私の左手から、携帯を奪うと
プーッ、プーッ、プーッ、、、
切ってしまった

あ、起きてんじゃん

途中で切ってしまったため、藤村さんからすぐ折り返し
があり、大丈夫ですと言ってすぐに電話を切った


「先生起きてるなら、呼んだときに返事してくださいよ」

再び車を走らせようとハンドルを握ったとき

「する?」

と、直球で聞いてくる
また、何を言い出すんだろうと、呆れてしまう
しません!と言おうとして先生の方を向いた

「ん、ちょっ、、」

言い返す隙も与えてくれない先生の唇はアルコール
の味と共に私の中へ入ってくる



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