先生が私に恋をした~2~
その日は、結局かっしーと顔を合わせることもなく
私は家に帰った

一人になると私は先生を思い出して毎晩眠れない

先生の息づかいも、先生の唇も、先生が私を呼ぶ声も
先生が私に触れる指も、抱き合う肌の温もりも
全部鮮明に思い出してしまうから

先生、、、

会いたいよ。

私、こんなにも脆かったんだ。
恋に溺れることなんて、今までになかった
誰かを求めて苦しくなることも、想って泣くことも
先生に出会って、初めて知った恋

「謙介さん、、、、っ、、寂しい、、よっ、、」

一人きりの部屋に私の届かない想いか
むなしく沈んでいく、、、


ブーッ、ブーッ、

静寂を破るようにベッドに放り投げた携帯のバイブが
鳴り、私を現実に連れ戻す
誰だろう、、、

ー柏木 圭ー
の文字が暗闇に眩しく光る

私は涙を拭い、ひとつ咳をしてから電話に出た


「も、もしもし?」
「あ、奏さん?今電話大丈夫?」
「うん、、、」
「日野先生から電話とかきた?」
「来てないけど、、、」


何かあったの?
先生に何か?

「病院に定期報告あって、順調に仕事出来てるみたい」
「そっか。うまくいってて良かった」
「てっきり、連絡来てると思ってた」
「アメリカ行ってから一度もないよ」
「えー!一度も?本当に?」

信じられないとでも言うよりに、えー!を連発する
かっしー。


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