先生が私に恋をした~2~
近藤先生が東京へ行ってからも、私は慌ただしくも充実
した毎日を送っていた

10月に入り、寒いと感じる日も出てきた頃
私の元に一本の電話が鳴った

テーブルの上に置きっぱなしの携帯の着信ランプが
カラフルに点滅して光る
これ、、って

私の身体中に雷が落ちたかと思うくらいの電気が走った


携帯をくるりと表にしたとき、私は自分の目を疑った
カラフルに設定してあるのは、日野先生だけ
だけど、まさか、電話が来るなんて少しも想像して
なかった

ど、どうしよう、、、
出ないと、早く出ないと

携帯を持つ手が震えて床に落としてしまった
ドンッ

それと同時にカラフルなランプが消えて、代わりに
不在着信の青のランプが点滅した


私、なにしてるんだろう

半年振りに大好きな声を聞けるはずたったのに


「謙介さん、、、」

拾い上げた携帯を胸元で抱き締めて名前を呟いた

声、聞きたかったのに
謙介さんの、"奏"が聞きたかったのに、、、



< 57 / 105 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop