先生が私に恋をした~2~
「もうすぐ奏さん誕生日だねー」

デスクの上にある卓上カレンダーに目をやる

あ、そうだ。
11月3日、元々祝日だから仕事中に気にすることなんて
なかったけど。

確か昨年は私は休みだし、かっしーは発表でいなくて
日野先生は姉妹病院に助っ人でいなかった。

何年ぶりかで一人で過ごした誕生日だったなー。

今年も日野先生はいないし。

また一人かー。

「奏さん、どっか行きたいとこある?」

思ってもみなかった誘いに、何も思い付かない

「かっしー、忙しいんだから無理しないで」
「休みにしてあるから平気」

またしてもとんでもない発言にあんぐりしてしまう
だって、休みだから。じゃなくて休みにしてあるから。
てことは、休み希望出したってことだよね?

そこまでしてくれるなんて、、

もう、申し訳ないを通り越して黄金に輝く神様に
見えてきたよ。

素直に嬉しかった。

「ありがとう。じゃあ、考えとくね」
「うん。」


誕生日まではあと8日。


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