先生が私に恋をした~2~
水族館に着くとさすが祝日


想像はしていたけど、どこもかしこもファミリーばかり。
中に入ると、キャッキャと興奮気味の小さな声が
飛び交っていた

「奏さん。はぐれないように、ね?」
「でも、、、」
「誰かに会う率は低いでしょ?」

ほらっ、半ば強引に手を繋がれて、うつむき加減で歩く

「奏さん、見てー。イワシの大群、こうしてみると
綺麗だねー」

おずおずと顔をあげて、巨大な水槽に目をやる
寸分の狂いもなく優雅に泳ぐイワシは確かに綺麗だった

「本当だー。一糸乱れぬ動きって兵隊みたい」
「うん」

なんとなくかっしーの視線は感じたけど、気付かない
ふりをした


そのあとはイルカのショーをみて、
ペンギンもラッコも可愛かったなー。単純に今映るもの
だけに見入っていた


晴れやかな気持ちのまま、フードコートでお昼もすませ、
記念にとかっしーがマグカップを買った

白と黒の色ちがい。
内側のそこにイルカが今にもジャンプしそうに描かれて
いて、それ以外はシンプルだ

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