壊れるほど君を愛してる
朝起きて、俺はカレンダーを見つめた。明後日はクリスマスだ。俺はもう興味なんか無いけど。
急いで学校に行って、教室で自分の席に座った。朝からこの続きを読むのが楽しみだったのだ。
俺はまたあの本を開いたのだ。
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冬休みに入った。友達とカラオケに行ったり、ケーキを作ったりなど割と楽しい生活をしていた。友達と居る間は、彼のことを忘れられて楽だった。
そして、今日はクリスマス。もうサンタなんか信じてないけど、良いことが起こることを期待してしまう。この日のみんな大体同じことを思うだろう。
部屋の窓から近くのコンビニでサンタの服装をした店員がケーキを必死に売っているのが見えた。
ここは都会みたいに聖夜だからといってイルミネーションが点くわけではないのだ。近所は老人ばかりで、トナカイやサンタの服装をして騒ぐカップルも居ない。
それでも、会いたいという気持ちが膨らむのはどうしてだろうか。
たかが聖夜だからって浮かれているのか。それとも、サンタさんからのクリスマスプレゼントと密かに期待しているからなのか。
プレゼントと言えるようなものをくれるはずが無いのに、私は何を期待しているのだろうか。
会いたい。ものすごく彼に会いたい気分なのだ。どんなに嫌われてもやっぱり好きで、自分が馬鹿らしくなってくる。
私はクリスマス定番のラブソングを聞いて涙を流す。歌詞と自分の心がリンクする。
何で、恋なんかしてるんだろうって思う。それでも、好きなってしまったのだ。
クリスマスぐらい幸せに過ごしても良いじゃないか、私は誰かに喧嘩を売るかのように心の中で叫んだ。
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この本の内容のように、クリスマスは幸せを期待してしまうものである。
早くこの記憶を取り戻して、普通に過ごそう。俺はそう思ったのだった。