壊れるほど君を愛してる
次の日。授業と大好きな部活を終えて、俺は家に帰る。外はもうすぐクリスマスだと騒ぐ者で溢れていた。
家に帰ると、珍しいことに母が作ったご飯がテーブルに置かれていた。俺は久しぶりに母の手作りご飯を食べれることに喜びを感じながら食べた。
なぜ母はずっと働きに行っているのかというと、俺のせいだった。俺が精神科で治療を受けて記憶を無くしてもらうのにかなりお金が掛かったようだ。
食べ終えた後、俺は急いであの本を開いた。
*****
会いたいと思っていたクリスマスから過ぎて、もうすぐで大晦日を迎える。私は部屋の片付けなどをして、暇を持て余していた。
今日は大晦日で、友達と一緒に神社へ行った。本当はテレビを見て居たかったが、これも楽しそうなのでこの選択にしたのだ。
友達と色んな話をしていると、年越しのカウントダウンが始まった。
――十、九、八……。
友達と周りに合わせながら声に出して数えた。
――六、五……。
今年のことが走馬灯のようにフラッシュバックする。彼の笑顔も私の脳裏で輝いていた。
――四、三、二……。
あの体育祭からずっと、どんなに嫌われていても、彼のことを壊れるほど想っていた。
「一!」
――先輩、大好き……。
「明けましておめでとう!」
友達とそう叫んでいると、近くから目線を感じて振り返った。すると、友達と来ている彼が私を見て目を見開いていた。私は恥ずかしくて、すぐに目を反らした。
「今日はもう帰ろうか」
私がそう言うと、ハイテンションになっている友達はまだここに居たいと言っていた。私はため息を着きながら、友達との初詣に付き合ってあげたのだ。
ずっと彼から目線から逃げたかったけど我慢していた。友達を不安にさせたくないから。
友達と別れを告げて家に帰る。彼らが私に付いて来ることは無いだろう。
私は自分の部屋のベッドで横になった。冬休み前にもらったお便りの写真を眺めていた。
私は夢を見た。陰で彼に笑われている現実味のある夢だった。私はただ呆然と立って居たという感じだった。
どんなに死にたいと思っても、まだ修学旅行という楽しみがあるのだ。そこまで私は我慢しなくてはならないのだ。
来年もちゃんと生きていけるかな。幸せだと思える毎日になるのだろうか。
彼が居なくなったら、私はどうなるのだろうか。
*****
俺は本を読んだ後、お風呂に入った。すると、人々で騒々しい神社の風景が思い浮かんだ。
髪が少し短くなった少女を見て、俺は立ち止まっていた。
――あれって、あの後輩か?新年最初に会うなんて最悪だな。
光一に似たような声が飛び込んできた。
俺は考えるのを止めて、お風呂から上がってすぐに寝た。
“幸せだと思える毎日になるのだろうか”、か……。俺も来年は幸せだと思える毎日を過ごして行けるのだろうか。