壊れるほど君を愛してる



今日は終業式だった。俺が通っている高校だけ休みが少ないらしい。校長の長い話が終わり、家に帰った。


ある程度勉強した後、俺はあの本を開いたのだ。



*****



もう今日は始業式。また彼に会って笑われるのが怖く感じて、学校へ向かう足取りは重たかった。


体育館で始業式が終わると、通常通りの授業になった。月曜日は移動教室がたくさんあるので、先輩達に出会ってしまわないか不安でいっぱいだった。


――先輩、彼女居るのにな。ストーカーされてるとか、可哀想。


私はその言葉が聞こえて、涙が出そうになった。私は涙を堪えて、友達と話していた。


あんなイケメンな彼なら付き合っている人ぐらいいるだろう。だけど、それが本当だと知ったらとても胸が苦しくなった。


先輩、ごめんなさい。私が貴方の幸せな人生を邪魔してごめんなさい。


そう思えば思うほど、この世界から逃げたくなってきた。消えたい、と思ってしまったんだ。


早く修学旅行を終えて死んでしまおうと思った。だけど、ずっと隣に居てくれる友達を見捨てることになる。


私は本当に生きていていいのだろうか。私が死んだ方がみんなは幸せになれるのだろう。


今日からまた、彼を避け続ける日々が始まった。



*****



本を読んでいると、電話が掛かってきた。征也からだった。


「もしもし?」


『翔も俺ん家でクリスマスパーティーしようよ。光一達も呼ぶし、母さんがたくさんご馳走を用意してくれるから』


「うん。楽しみにしてるよ」


『じゃあ、また明日』


「うん、じゃあな」


俺は電話に切って、窓の外を眺める。明日のクリスマスパーティーが楽しみだ。


また本の続きを読もうとしたが、受験のために勉強をすることにした。


今日は明日のパーティーに備えて早く寝よう。



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