壊れるほど君を愛してる
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卒業式当日。私はたくさんの人に目を付けられていた。
私は朝早くからとある場所へ向かっていた。三階の南校舎だった。
ここなら誰も人に来ないので、丁度良いと思えた。
私は縛っていた髪を下ろし、窓を開けた。
体育祭で輝く彼に私は惹かれた。頑張っているところに胸を打たれた。
すれ違うだけで良いと思っていたら、町中ですれ違ってしまい、先輩に顔を覚えられてしまった。
ただ、好きだった。大好きだったんだ。
貴方への想いを隠して生きていこうなんていう目標は、無様に散ってしまった。
どんなに嫌われても、何を言われようとも、私は先輩を嫌いになんかなれなかった。
会いたいと思う回数が増えても、会ってはいけないと避け続けた。
貴方の幸せな人生に邪魔をした私が馬鹿だと思えた。
私は貴方を壊れるほど想っていた。
貴方に出会わなければ良かった。
そう思っている自分に嫌気が刺した。
貴方に出会えて、本当の恋を知ったよ。
これが勘違いでも、ずっと言いたかったな。
さよなら、大好きです。
私は三階の南校舎で窓から飛び降りた―――。
END
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「あああぁぁぁ!!」
俺は涙を流していた。
頭を抱えて、俺はその場に蹲った。
全てを思い出したんだ。
俺の記憶が走馬灯のように駆け巡っていった。
「あああぁぁぁ!!」