壊れるほど君を愛してる
そして、三学期が始まる。それでも、彼女とすれ違うことは無かった。
サッカー部の練習に行きたいけど、受験勉強で忙しいのだ。爽に色んな話を聞きたかった。
嫌でも始まった卒業式練習。
入場と退場の練習をする時、彼女はいつも下を向いていた。顔を合わせたら面倒なことになることを分かっているんだろうな。
もうすぐで俺も卒業するんだ、そう思うと悲しく感じる。
昼休み、俺は光一と話していた。すると、光一が聞いてきた。
「お前はどこの高校に行く?」
「俺は西宮高校に行くよ。光一は?」
「俺は松島高校行くよ。偏差値低いもん」
高校に行ったら、光一と離ればなれになるのは惜しいことだ。だけど、光一にも夢はあるだろうから仕方がない。
「あの子、お前のこと見向きもしなかったな」
光一がまた彼女の話題を持ち掛けた。
「変な噂を流すから居づらくなったんだろ?」
「そっか……」
俺の言葉に光一はただ頷くだけだった。
チャイムが鳴って、俺らはそれぞれ別の教室に戻った。
卒業なんかしたくねぇな……。