壊れるほど君を愛してる
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俺は莉奈に悪いことをしたから莉奈は飛び降りたんだ。小説の内容を見る限り、俺らの勘違いで酷い目に遭っている。
その日はずっと泣いていて、ご飯も食べる気がしなかった。
俺の記憶喪失は莉奈を自殺に追い詰めた神様からの罰なんだ。俺が全ていけなかったんだ。
謝りたい。君に謝りたい。
そして、ちゃんと仲良く接してあげるんだ。
きっと俺と話せば彼女も笑顔になってくれる。
もしも……彼女が生きていればの話だ。
俺は征也に電話を掛けた。
『もしもし?』
「征也、思い出せたんだ」
『えっ……』
征也が明らかに戸惑っているのが電話でも分かる。
「俺、謝りたいんだ。自殺まで追い詰めた後輩の女の子に」
俺がそう言うと、電話の向こうに居る征也は黙ってしまった。
「冬休みが明けてから頑張るよ」
『そっか、頑張れ!』
征也の優しい声に少し救われたような気がした。今度は俺の番だ。
救う前に殺してしまった君を俺が救うんだ。ちゃんと謝って、仲良くなるんだ。
俺はそう決心したのだ。