壊れるほど君を愛してる
君に謝罪の言葉を
そして、三学期に入った。俺はすぐに優樹のところに報告をしに行く。
「優樹!」
「どうした?翔」
「俺、思い出せたんだよ……残酷な記憶を」
「えっ……」
俺が付け出した言葉に優樹は喜んでいいのか分からない様子だった。
「俺が自殺まで追い詰めた後輩に謝りたいんだ」
「はぁ!?お前、何やってたんだよ?」
「ストーカーだと勘違いして、噂を流しちゃった……」
「うわぁ、その子可哀想だなぁ」
優樹は俺に若干引いているように思える。俺は最低なことをしてしまったからだ。
「お前にどんな過去があろうと、俺はお前の“親友”でありたいんだ」
優樹が俺に面と向かってそう言った。俺はその言葉に泣きそうになってくる。莉奈の飛び降りからずっと涙もろいな。
「記憶を無くしてた時の純粋なところも好きだったよ。しかも、そのイケメン面で僕なんて可愛かったよ」
「そこは気にしないで……」
その時のことを思い出すと恥ずかしくなってくる。好きとか言われたら少し照れ臭くなる。
「可愛い子供の翔君って感じだったな」
「いい加減にしろ!」
「おっ!記憶が戻って口も悪くなったか」
「うるせぇ!」
今までは優樹の影響で言葉を悪くしたりしてたけど、今は前からある自分を出している。優樹に言われたハマったものはそのままだろう。
「良かった、翔が思い出せて」
優樹はしみじみと切なそうに言った。
「翔、お前は俺の大切な親友だからな」
「俺も、優樹は大切な親友だよ」
俺らはそう言って、笑い合った。友達が居ることの大切さを思い知った。