壊れるほど君を愛してる
莉奈と手を繋いで玄関に来ると、優樹と咲花も手を繋いで笑った。そんな二人は俺と莉奈は顔を見合わせて笑った。
「ついに謝罪出来たんだ、良かった」
優樹が自分のことのように喜んで俺を抱き締める。
「やめろ……」
「ごめん、つい嬉しくて。親友が幸せそうにしてると、俺も幸せになれるんだよ」
俺はその言葉に目を見開いた。よく優樹の言葉に泣かされそうになる。
「一緒に帰ろう。ね、莉奈ちゃん」
咲花の優しい言葉に莉奈は目が眩むような笑顔で頷いた。優樹も微笑ましそうに見ている。
「帰ろう!俺は咲花の家まで送るから」
「えっ!なんか、意外なんだけど……」
「えっ……」
二人のショートコントみたいなのは無視して、また莉奈の手を繋いだ。
「俺も莉奈の家まで送るよ」
「えっ、良いんですか?」
「もちろん、俺がエスコートするよ」
「うわぁ、やったー!」
俺の言葉に彼女は幸せそうに笑っている。俺は空いている手で莉奈の頭を撫でた。
四人でくだらない話をして、途中で別れた。莉奈と咲花の家の方向が違ったからだ。
それから、ずっと二人で手を繋いで静かに歩いていた。気不味いと思えたきた時だった。
「ここが私の家です。ありがとうございました……」
「いえいえ」
恥ずかしそうに微笑むその姿に胸が高鳴る。
「じゃあな、莉奈。また明日」
「はい、また明日」
俺は莉奈の家から離れ、自分の家に帰った。
彼女の眩しい笑顔を思い出すと、胸が苦しくなるのはどうしてだろうか。
俺はまた、早く明日が来ることを願った。