壊れるほど君を愛してる
俺は朝早くから家を出て、あるところへ向かった。やっぱり冬は寒い。
俺がそこに着くと、良いタイミングで莉奈が出てきた。彼女は驚いた顔をしていた。
「えっ?何で、先輩……」
俺は戸惑っている彼女の可愛くて頭を撫でた。すると、彼女は顔を真っ赤に染めて俺から顔を反らした。
「お前、結構可愛いな」
何気なくそう言うと、彼女は一瞬俺を見てすぐに顔を反らした。照れているのか、それも可愛いなんて思う。
「先輩……」
少し小さな声で彼女はそう言った。俺は「何?」と聞き返してみる。
「何で、私なんかに優しくするんですか?」
「……理由なんかあるかな。確かに謝罪の気持ちもあるけど、なんか興味があるんだな、莉奈に」
俺が笑うと、彼女は顔を真っ赤に染めた。意外とからかうのも楽しい。
「お前って、からかうと面白いな」
「なっ……!」
俺が意地悪っぽくそう言うと、彼女は頬を膨らませた。怒り方も可愛い。
「ごめんごめん」
「別にいいですけど……」
彼女は怒り混じりに言葉を発すると、また目が眩むような笑顔を見せてきた。それを不意討ちでやられると心臓が壊れてしまいそうだ。
「連絡先でも交換する?」
俺がそう言うと、彼女は目を輝かせた。分かりやすい奴だなぁ。
俺達は道端で連絡先を交換した。そんな彼女は幸せそうに笑っていた。
気付くと、もう学校に着いていた。俺らはそれぞれのクラスに別れた。