壊れるほど君を愛してる
再会を願って
俺は高校を卒業し、社会人として、再び大阪のホテルに来た。琉晴さんやその他スタッフも喜んで俺を出迎えてくれた。
また君に会えないかな、そんなことを毎日思う。
君がここに来てくれないかな、そう考える時もあった。
君の転校先はどこだか知らない。全国の高校を片っ端から調べるなんてしないだろう。
世界は俺を置いて時を流して廻り続けている。
君と会えなくなって、二年が経った。
もうすぐで君は卒業するだろう。
君はどうしているのだろうか。
「翔、どうした?」
休憩時間で俺が一人で空を見上げていると、琉晴さんが話し掛けてきた。
「いつも悲しそうな顔をして空を見上げてるから……。なんかあるなら話聞くよ?」
琉晴さんはそう笑ってくれたけど、俺は平気な顔で誤魔化して何も言えなかった。
君を忘れることなんて難しいけど、忘れないと未来へ進めない。あの頃みたいに忘れられたら良かったのに。
君と出会ってなければ、君は死のうとせずに住んだのかな。君と出会ってなければ、こんな辛い想いをしなかったのかな。
俺は、今日も壊れるほど君を愛してる。