壊れるほど君を愛してる
次の日。休みを取って、海翔の家に向かった。
俺だけがパーティー会場のホールから出されていて、盛り上がっている声に寂しさが募った。
「はーい、お静かに!莉奈へ最高のプレゼントを送りまっせ!先輩、どうぞ!」
俺はシナリオ通りにホールの中へ入った。久しぶりに見た莉奈の驚く顔を見て、俺は莉奈を抱き締めた。
「せん……ぱい……」
突然のサプライズで涙を流す莉奈の頭を俺は撫でる。
「莉奈」
俺は彼女から離れて、地面に膝をついた。そして、俺は小さなケースを取り出す。
「莉奈、結婚しよう」
俺がそう言ってケースを開くと、彼女は顔を両手で隠して泣いていた。俺は緊張で手の震えが止まらない。
「……はい」
俺は彼女の返事に立ち上がって喜んだ。また莉奈を抱き締める。
「大好きだよ、莉奈」
「私も、です……」
俺はまた彼女から体を離し、ケースから指輪を取り出した。彼女の左手を取り、薬指に指輪を入れた。ちょうどぴったりだった。
「愛してるよ、莉奈」
「先輩……」
「先輩はダメ。翔って呼んで」
彼女は頬を真っ赤に染めて言った。
「……翔」
「莉奈、大好き!」
俺はそう言って彼女の髪をグシャグシャにすると、周りの歓声と拍手が部屋中に響いた。
「おめでとう、莉奈!」
海翔も嬉しそうに喜んでいた。たぶん、こいつは莉奈が好きだったんだろうな。男の勘で分かる。
「キス!キス!キス!」
そんな歓声が湧き起こる。俺は莉奈の顎を持ち、唇を重ねた……。
「キャー」と歓喜の声が聞こえる中、俺は熱く長いキスをした。君のぬくもりが伝わって気持ちいい。
唇を離すと、君は目の前で笑った。その笑顔は眩しく輝いていた。
「……翔、最高の誕生日プレゼントをありがとう」
彼女の嬉し涙も輝いていた。