壊れるほど君を愛してる
次の日。俺は莉奈の家に行った。結婚の許可をお祖父さんに取るために。
「お邪魔します」
俺は莉奈のお父さんに案内されて、昨日と同じ部屋で同じ椅子に座った。俺の目の前には莉奈のお祖父さんが眉間に皺を寄せて俺を見ている。
「本当にあの翔君か?」
お祖父さんが一言目で発した言葉は、俺が本人なのかの確認だった。あれから大分成長したし、色々変わっただろう。
俺は「はい」と頷いた。お祖父さんは腕を組んで考え込んでいる。
「予想していた通り、二人は運命の人なのかもしれない。本当に運命なんてあると思わなかったよ。参ったね……」
すると、お祖父さんは優しく笑って言った。
「二人の結婚を許す」
俺と莉奈はその言葉に抱き締め合い、喜び合った。
本当に運命というものがあるんだと知った。
「やったな、莉奈」
「うん……」
体を離すと、莉奈は涙を流していた。俺も涙が出そうだったけど、弱い男だと思われるのは嫌なので我慢した。
「早速だが、結婚式のプランを立てようか」
お祖父さんの言葉に俺達は唖然としていた。莉奈のお祖父さんって気が早い人なんだなぁ……。
結婚式の話を話していると、既に暗くなっていた。夕食も食べさせてもらって、俺は家に帰った。