極上御曹司に求愛されています
何度か軽く唇を重ねるうちに、自然と舌が絡み合う。
角度を変えながら、濡れた音とともに互いの感触を確認し合う。
そして、深い吐息の後、悠生の舌は芹花の口を支配するように動き始めた。
「ん……」
芹花は息苦しさを覚えながらも、悠生を抱き寄せる手にさらに力を込めた。
ゆっくりとした悠生の動きの合間に呼吸し、自らも悠生の舌を探した。
芹花の耳元を刺激していた悠生の手が、鎖骨から胸元に移り、芹花の柔らかな胸にたどりつく。
思わずピクリと震えた彼女に構うことなく悠生の指先が敏感な場所を刺激した。
「はあ……っ」
悠生の手が、服の上から形を変えるように芹花の胸を揉みあげる。
ゆったりとした動きだが、大きな刺激が芹花の体に広がる。
思わず跳ねた体は悠生の体すべてで押さえつけられ、芹花の体に熱となって居座った。
「芹花」
何度もキスを繰り返したせいか、悠生がやけに色っぽく見えた。
芹花と額を合わせる呼吸は熱い。
「……泊まっていく?」
それを芹花が断るとは思っていないだろう声と表情。
芹花は落ち着かない呼吸の途中でこくりと頷いた。
それが意味することなら、もちろんわかっている。
後悔しないという確信はない。
けれど、芹花が頷いた途端、ホッとしたように笑った悠生の表情を見せられれば、このまま帰ることなどできないと思った。
もちろん初めてではないが、修しか知らない体が悠生をがっかりさせないか不安はある。
それでも。
「今はまだ、俺の方が芹花のことを好きだけど、なるべく早く追いついてくれ」
色気たっぷりに言われると、それは誤解だと言いたくても言えないほど気持ちはいっぱいになり、芹花の迷いは消え去った。
「……好き」
それしか言えないのかと悠生に笑われながら、何度も同じ言葉を繰り返し、芹花は目を閉じた。