俺様上司の甘い口づけ
いつも以上に早く目が覚めてしまった。
寝る気なんてなかった。
1秒でも長くこの整った顔を眺めていたかったから。
だけどその強い欲も睡魔には勝てず
気がついたら明け方…
キッチンで朝食でも作ろうかと
体を起こした…
–––––––ガシっ
「成瀬さん?朝ごはん」
『れい…な………』
たしかにつぶやかれた言葉…
一文字も私の名前と同じでない
確実に女の人の名前
“れいな…”
誰だかわからないのに
それが成瀬さんにとってどれ程大切な人なのか
わかってしまうほど愛しそおに読んだ声を
私は忘れることができなかった。