俺様上司の甘い口づけ


「詳しくは教えてくれなかったですけど
忘れられないくらい好きな人だって」


『俺だってもう叶わないって分かってる』


初めて見る切なそうな顔。
玲奈さんは私の知らない成瀬さんをたくさん知ってるんだろうな。

悔しいなんて私が思っていい立場じゃない

だけどいいなって…


「ちゃんと振ってください…」


『…ごめん』


それはきっと気持ちに応えられないごめんだよね


「今までありがとうございました。」


『江莉!』


こんな時だけ下の名前で…
そんな意地悪しないでよ。


私は逃げるようにマンションを出た

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