俺様上司の甘い口づけ
私が早乙女さんのことを好きになったのは。
今年の春に入る頃。
私が入社して配属されたのは人事課だった
希望したと言うより、
入ってすぐの会社で行われた新人オリエンテーションで特性など上司に色々見られる場で、
人事課に来て欲しいと言われるがまま
そこに希望届を出した。
仕事は資料の整理などほとんど雑用。
しかも同期の子はいない。
人事課は毎年人が入るとは限らないらしく、
今年は私だけとなった。
私のなにをそんなにかわれたのか
甚だ疑問だが
人事課とはそれほど会社のなかで秘密とされている部署だと入って知った。
そのためすぐ引き継げるようなものではなく
信頼を得れるように言われた通りの雑用を
ただひたすらにこなしていくだけだった。
「はぁ…この資料本当に1人運ぶの?…」
初めはそんなことを思って嘆いてたけど
今は難解で運べるかと自分の中で計算するのも好きになっていた
こんなの無理だよと思う量を
スカートかつヒールという
難しい組み合わせで挑む。
なかなか厳しいこともあったけど
ポジティブに言うと
女だからできない。とか
女は昇進させられない。とか
この会社には存在しないルールだから
平等に見てもらえるのが救いだ