俺様上司の甘い口づけ




『中野!中野!!』


遠くの方から声が聞こえる

––––––––あれ………


『起きた?』


司会が明るくなるとともに
頭を鈍器で殴られたようにズキズキ痛む


「私あの、」



『どうしてこんなになるまで飲むんだよ、お前は』

呆れた顔の成瀬さん

「す、すみません…」


状況からして私は酔いつぶれたのだろう

次の企画の話とかライバル会社の話とか
話していくうちに熱が入ってしまった


『今日は酔った相手の介抱ばかりだな』


……あぁ。どうしてこんなに飲んじゃったんだろう


「成瀬さんがお酒強すぎます」


ここまで酔ってしまったのは、

成瀬さんが強いお酒を頼む側で
まるで可愛らしく弱いお酒を頼むなんてこと
私にはできなくていつも以上に強いものを頼んでしまったのが原因だろう


『まぁ普通くらいだろ。仲間に比べたら』


「仲間?」


『嫌なんでもない。
だいたい俺に張り合おうとしたからだろ』


「そんなつもりじゃ。」

意識が朦朧とする中聞き返すのもやっとだ。
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