ダメ女
光、瞬間、掴む!
僕は、病院を退院して過食症になった。

食事管理されていた病院生活から自由になりコンビニで高カロリーな食事を乱食した。

何でも美味しく、お腹がパンパンになるまで食べた。

返された携帯電話には佐多さんからメールがきていたが他は誰からも来ていなかった。

寂しいの殻に閉じ籠って更に孤独に閉じ籠ってしまった。

しかし、お金が続かなくなり食事が食べれなくなった。

1階の祖母の冷蔵庫から隠れながらパンやおにぎりを盗んで食べていた。

祖母にお金を貸して欲しいとは言えなかった。

ある日、祖母が腸閉塞で入院した。

叔父に、ばあちゃんは?

と聞くと

[死んだよ。]

と気持ち悪く笑いながら言った。

僕は、心臓を手で握り潰されたような感覚になった。

「冗談、腸閉塞で手術すればすぐに良くなるって。」

後ろから誰かに突然押されたみたいだった。

冗談が、見抜けないぐらい僕は、空腹と孤独だった。

佐田さんが、訪ねて来て散歩しましょうと言われた。

「加藤さん、ご飯食べてますか?」
 
「…食べてません。」

「じゃあ、食べましょう。」

とファミレスに入った。

「お金はわたしが出すので心配しないで下さい。」

「でも。」

「ご飯を食べないと体に悪いです。」 

久しぶりにハンバーグを食べた。

「生活保護受けましょう。明日、市役所にはわたしが電話しておきます。」

「ありがとうございます。」

世の中に、佐田さんみたいな人がいるなんて信じられなかった。

次の日、市役所の生活保護課から電話が来て生活保護を受ける事になった。

同時に障害年金の申請もした。

生活保護のおかげでご飯が食べれるようになると僕は、元気になってきた。

愚かだが、結婚相談サイトを見たり、mixiを始めた。
 
お腹が満たされると他の欲が出てくる。

生活保護のくせに!と思う方もいると思うが障害年金の一時金が手に入ると今まで生活保護でもらっていたお金は一時金で全て返済するのだ。

だから、姉や両親に生活保護の話が入らないのである。

僕は、サイトで知り合った女と5人ぐらい会ったがピンっと来る人はいなかった。

祖母は入院時も退院しても口うるさかった。

[加藤さん、自ら死を選ぶのと死ぬかもしれないという事は考えないようにしましょう。神がそれは決める事です。]

佐田さんに言われて病院も通って、そうだなと実感した。
< 24 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop